社会予防疫学 お知らせ

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研究室について

社会予防疫学分野は、 医学系研究科に公共健康医学専攻(公衆衛生大学院)が新設された際に、開設された研究室です。
栄養疫学分野を中心に研究を行っています。初代教授は佐々木敏名誉教授(2007~2022年度)で、2023年に村上健太郎が新たに教授に就任いたしました。

社会予防疫学とは?

健康状態や疾患発生を集団内で計量的に把握し、疾患発生のリスクに関係する因子と疾患発生の関係を統計的に分析する学問が疫学です。飲酒・喫煙、栄養や身体活動など古典的な因子に加え、最近は遺伝子やその発現をコントロールする因子や社会経済要因を対象とする疫学研究も盛んになっています。薬物など治療の評価を行うためにも、疾患発生状況などに関する疫学データが必要です。

さらに、疫学は、研究方法論を提供するとともに予防保健を実践する実学として、健康科学の中心分野ですが、残念ながらわが国ではその教育体制も研究体制も十分ではありませんでした。

社会予防疫学は、人間社会で起こっているさまざまな現象(個人の生活習慣も含む)と疾病との関連について疫学的手法を用いて明らかにするとともに、それを疾病予防・疾病コントロールに用いるための具体的な方策を探る学問です。

担当科目

大学院医学系研究科 公共健康医学専攻(専門職学位課程)の選択科目「疫学研究と実践」(夏学期)と「予防保健の実践と評価」(夏休み集中)を担当しています(他研究科・他専攻の方も受講できます)。

研究テーマ

栄養疫学(nutritional epidemiology)

栄養疫学とは、栄養・食事を中心的テーマとして取り上げる疫学研究の総称です。
簡単に言えば、『食べている物や食べ方と健康との関連について疫学的手法を用いて明らかにする科学』です。

この研究室では、その方法論、つまり、食事調査法(アセスメント法)の理論や方法に関する研究を行ない、簡易食習慣評価ツール(MDHQ; Meal-based Diet History Questionnaire)といった調査法を開発し、その基礎研究を行なっています。

そして、これらの研究成果に基づいて、さまざまな健康問題と食事・食習慣との関連を調べています。

栄養疫学は、食事を通じて疾病の予防や治療を行なうときに、その科学的根拠を与える重要な学問ですが、日本ではこの分野の研究と教育を専門的に行なう研究室は存在しませんでした。その意味で、この研究室は日本における栄養疫学研究の成果を世界に発信するとともに、世界の栄養疫学研究の成果をまとめ国内に伝える上で、大切な役割を果たしています。


メンバー紹介

Member

村上健太郎

村上 健太郎 教授

むらかみ けんたろう

東京大学 大学院医学系研究科 社会予防疫学分野 教授

[ 学位 ]
・博士(食品栄養科学・静岡県立大学)
・修士(食品栄養科学・静岡県立大学)
・学士(教育学・北海道大学)

 

略歴

北海道大学教育学部卒業後、日本学術振興会海外特別研究員(派遣先:英国アルスター大学)、東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻社会予防疫学分野助教、同研究科栄養疫学・行動栄養学講座特任教授等を経て、2023年8月より現職。博士(食品栄養科学)。専門は公衆栄養学、栄養疫学、行動栄養学。発表した英語論文は170編以上(筆頭102編)で、2021年12月よりNutrition Societyの中心的な専門学術誌であるBritish Journal of Nutritionの副編集長を務める。著書に『基礎から学ぶ栄養学研究―論文の読み方・書き方から科学的根拠に基づいた実践まで―』(2022年11月)がある。また、スタンフォード大学が2023年10月に更新した世界のトップ2%の科学者リストに選ばれている(https://elsevier.digitalcommonsdata.com/datasets/btchxktzyw/6)。

 助教
 篠崎 奈々(しのざき なな)

 名誉教授
 佐々木 敏(ささき さとし)

学生M2(公共健康医学専攻 専門職学位課程)
古屋 天音(こや あまね)
須賀 瑞希(すが みずき)
  • 東京大学大学院医学系研究科 栄養疫学・行動栄養学(社会連携講座)

 特任教授
 大久保 公美(おおくぼ ひとみ)

アクセス

Access

  • 所在地
    〒113-0033
    東京都文京区本郷7-3-1 東京大学医学部2号館2階N201室
  • 最寄り駅からのアクセス
    ・地下鉄丸ノ内線・大江戸線 本郷三丁目駅から(徒歩6分)
    ・地下鉄千代田線 湯島駅から(徒歩10分)
    ・地下鉄南北線 東大前駅から(徒歩15分)

お問い合わせ

Contact

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