社会予防疫学 お知らせ
News
- 田島諒子が栄養疫学・行動栄養学の特任助教に就任いたしました
- 大学院生募集
- BMC Nutrition に論文が掲載されました
- 2014年に実施した「平成26 年度児童生徒の食事状況等調査」に参加された方へ
- 2013年に実施した「塩研究(通称)」に参加された方へ
研究室について
社会予防疫学分野は、 医学系研究科に公共健康医学専攻(公衆衛生大学院)が新設された際に、開設された研究室です。
栄養疫学分野を中心に研究を行っています。初代教授は佐々木敏名誉教授(2007~2022年度)で、2023年に村上健太郎が新たに教授に就任いたしました。
社会予防疫学とは?
健康状態や疾患発生を集団内で計量的に把握し、疾患発生のリスクに関係する因子と疾患発生の関係を統計的に分析する学問が疫学です。飲酒・喫煙、栄養や身体活動など古典的な因子に加え、最近は遺伝子やその発現をコントロールする因子や社会経済要因を対象とする疫学研究も盛んになっています。薬物など治療の評価を行うためにも、疾患発生状況などに関する疫学データが必要です。
さらに、疫学は、研究方法論を提供するとともに予防保健を実践する実学として、健康科学の中心分野ですが、残念ながらわが国ではその教育体制も研究体制も十分ではありませんでした。
社会予防疫学は、人間社会で起こっているさまざまな現象(個人の生活習慣も含む)と疾病との関連について疫学的手法を用いて明らかにするとともに、それを疾病予防・疾病コントロールに用いるための具体的な方策を探る学問です。
担当科目
大学院医学系研究科 公共健康医学専攻(専門職学位課程)の選択科目「疫学研究と実践」(夏学期)と「予防保健の実践と評価」(夏休み集中)を担当しています(他研究科・他専攻の方も受講できます)。
研究テーマ
栄養疫学(nutritional epidemiology)
栄養疫学とは、栄養・食事を中心的テーマとして取り上げる疫学研究の総称です。
簡単に言えば、『食べている物や食べ方と健康との関連について疫学的手法を用いて明らかにする科学』です。
この研究室では、その方法論、つまり、食事調査法(アセスメント法)の理論や方法に関する研究を行ない、簡易食習慣評価ツール(MDHQ; Meal-based Diet History Questionnaire)といった調査法を開発し、その基礎研究を行なっています。
そして、これらの研究成果に基づいて、さまざまな健康問題と食事・食習慣との関連を調べています。
栄養疫学は、食事を通じて疾病の予防や治療を行なうときに、その科学的根拠を与える重要な学問ですが、日本ではこの分野の研究と教育を専門的に行なう研究室は存在しませんでした。その意味で、この研究室は日本における栄養疫学研究の成果を世界に発信するとともに、世界の栄養疫学研究の成果をまとめ国内に伝える上で、大切な役割を果たしています。
メンバー紹介
Member
村上 健太郎 教授
むらかみ けんたろう
東京大学 大学院医学系研究科 社会予防疫学分野 教授
[ 学位 ]
・博士(食品栄養科学・静岡県立大学)
・修士(食品栄養科学・静岡県立大学)
・学士(教育学・北海道大学)
略歴 北海道大学教育学部卒業後、日本学術振興会海外特別研究員(派遣先:英国アルスター大学)、東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻社会予防疫学分野助教、同研究科栄養疫学・行動栄養学講座特任教授等を経て、2023年8月より現職。博士(食品栄養科学)。専門は公衆栄養学、栄養疫学、行動栄養学。発表した英語論文は170編以上(筆頭102編)で、2021年12月よりNutrition Societyの中心的な専門学術誌であるBritish Journal of Nutritionの副編集長を務める。著書に『基礎から学ぶ栄養学研究―論文の読み方・書き方から科学的根拠に基づいた実践まで―』(2022年11月)がある。また、スタンフォード大学が2023年10月に更新した世界のトップ2%の科学者リストに選ばれている(https://elsevier.digitalcommonsdata.com/datasets/btchxktzyw/6)。
助教
篠崎 奈々(しのざき なな)
名誉教授
佐々木 敏(ささき さとし)
学生 | M2(公共健康医学専攻 専門職学位課程) 須賀 瑞希(すが みずき) |
学生 | M1(公共健康医学専攻 専門職学位課程) 千ヶ崎 理子(ちがさき りこ) |
関連講座
東京大学大学院医学系研究科 栄養疫学・行動栄養学(社会連携講座)
特任教授
大久保 公美(おおくぼ ひとみ)
[ 学位 ]
・博士(保健学・東京大学)
・修士(栄養学・徳島大学)
・学士(栄養学・徳島大学)
略歴
徳島大学医学部栄養学科卒業。東京大学大学院医学系研究科で博士学位取得後、英国サウサンプトン大学 MRC Lifecourse Epidemiology Unit 客員研究員、国立保健医療科学院主任研究官、日本学術振興会特別研究員RPD(受入機関:国立環境研究所)を経て、2024 年4月より現職。専門は栄養疫学、公衆栄養学。胎生期から高齢期に至るすべてのライフコースにおける『食事(食べている物や食べ方)と健康』との関連をテーマに研究を行っている。
特任助教
田島 諒子(たじま りょうこ)
アクセス
Access
- 所在地
〒113-0033
東京都文京区本郷7-3-1 東京大学医学部2号館2階N201室 - 最寄り駅からのアクセス
・地下鉄丸ノ内線・大江戸線 本郷三丁目駅から(徒歩6分)
・地下鉄千代田線 湯島駅から(徒歩10分)
・地下鉄南北線 東大前駅から(徒歩15分)
お問い合わせ
Contact
研究室メンバーや研究についての各種お問い合わせはすべて下記メールアドレスまでご要件を添えてご連絡ください。
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★ 大学院生の募集について ★
社会予防疫学分野では、栄養疫学と行動栄養学の研究に情熱を持つ大学院生を募集しています。東京大学の学生に限らず、国内外の多くの大学・大学院からの進学を歓迎します。
募集条件
学歴要件: 本講座は修士・博士課程の学生のみ受け入れております。学部生の方は、まずは入試を受け東京大学大学院 医学系研究科 公共健康医学専攻(2年コース)にご進学ください。他分野の修士号や博士号をお持ちの方も、公衆衛生学に関する知識と技能をさらに深めるため、同専攻における公衆衛生学修士の取得を推奨します。詳細は公共健康医学専攻のウェブサイト(https://www.m.u-tokyo.ac.jp/sph/)または、大学院医学系研究科のウェブサイト(https://www.m.u-tokyo.ac.jp/daigakuin/apply/appguidemain.html#2)をご参照ください。研究生は原則として受け入れておりません。
研究への熱意: 栄養疫学および行動栄養学に関する研究への強い関心と情熱をお持ちの方を求めています。公衆衛生の分野で社会に貢献する意欲のある方のご応募をお待ちしています。
研究計画の提出: 研究への取り組みや専門性を評価するため、自身の研究目的と方法についての詳細な計画を提出していただきます。
言語能力: 英語による論文の読解および執筆能力が求められます。国際的な学術コミュニケーションに対応できる英語力が望ましいです。
質問や疑問点がある場合は、下記の連絡先までお問い合わせください。
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